しかし遠い過去にはいくつかの種に分かれたにもかかわらず、現在のところ地球上に一種しかいない動物が存在する。
それが、人類、ホモ・サピエンスである。
サピエンスは一種であるにもかかわらず、様々な環境に適応し繫栄している。
「サピエンス全史」では、それを人間が言語能力によって虚構を構築したためであると説明する。
人類は個体の持つ能力としては大型肉食動物を頂点とするピラミッドの中で中位の能力しか持たない。
しかし人間は言語による虚構によって食物連鎖の頂点に立ち、この世界の頂点に位置している。
人間は、より多くの人々を結びつける宗教・貨幣・科学などのシステムを言語によってつくりあげるとともに、環境に適応するようにそれらのシステムを分岐させ、同一種の中に異なる文化を発達させる一方、さらにそれらを統合して、地球上の広い地域に繁栄することとなった。
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